潰瘍性大腸炎・クローン病と咳・喘息の関係|溝の口駅前内科・呼吸器内科|川崎市高津区の呼吸器内科・アレルギー科

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潰瘍性大腸炎・クローン病と咳・喘息の関係

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2026年9月22日

潰瘍性大腸炎・クローン病と咳・喘息の関係

潰瘍性大腸炎・クローン病をお持ちで、咳・喘息にお悩みの方へ

潰瘍性大腸炎とクローン病は、炎症性腸疾患(IBD)と呼ばれ、免疫の異常などが関わって腸管に慢性の炎症が起こる病気です。

腸の病気と、咳や痰といった呼吸器の症状は、一見まったく関係がないように思われるかもしれません。
しかし実は、この2つの間には密接なつながりがあることが分かっています。

この記事では、潰瘍性大腸炎・クローン病と、咳・喘息との関係について、呼吸器専門医の立場から解説します。

なぜ潰瘍性大腸炎・クローン病で咳・痰・息切れが出るのか

潰瘍性大腸炎とクローン病は、いずれも免疫の異常が関与して腸管に炎症を起こす病気です。

一方で、潰瘍性大腸炎やクローン病の患者さんでは、腸管だけではなく、呼吸器に病気を合併することがあることがあります。

特に、気管支の中でも細い部分に炎症を起こす「細気管支炎」などがみられることがあり、これによって咳、痰、息切れなどの症状が出ることがあります。

また、原因ははっきりしていませんが、潰瘍性大腸炎やクローン病では、気管支喘息を合併することが多いことが指摘されています。

そのため、咳がある場合には、以下のような病気を主に考える必要があります。

①潰瘍性大腸炎・クローン病に関連した呼吸器病変

②免疫抑制治療に伴う感染症

③薬剤による肺炎(薬剤性肺障害)

④気管支喘息の合併

特に潰瘍性大腸炎やクローン病の患者さんでは、免疫を抑える治療を受けている方も多く、感染症を合併して咳や痰、息切れなどが起こることがあります。特に、気道が傷んでいることを背景に、肺非結核性抗酸菌症を合併することもあります。
また、治療薬が原因となって肺炎などの呼吸器障害を起こす場合もあります。

このように、潰瘍性大腸炎・クローン病の患者さんに咳が出た場合、単純に「喘息」と判断することが難しいケースがあります。

呼吸器症状が続く場合には、呼吸器内科での診察に加えて、消化器内科での病気の活動性や治療経過なども合わせて考えることが重要です。
必要に応じて、専門病院で詳しい検査を行うこともあります。

👉️気管支喘息 について

👉️肺非結核性抗酸菌症 について

当院における潰瘍性大腸炎・クローン病に伴う呼吸器症状の診療

まずは、潰瘍性大腸炎・クローン病の治療内容や現在の病状、これまでの経過を確認します。

そのうえで、クローン病・潰瘍性大腸炎に伴う細気管支炎などの気管支病変がないか、感染症の合併がないか、また薬剤性肺炎(薬剤性肺障害)の可能性がないかを胸部レントゲンやCT検査により評価します。

それとは別に、気管支喘息の可能性についても検討します。
必要に応じて、呼気一酸化窒素濃度(FeNO)検査などを行い、喘息の可能性を評価します。

しばらく胸部CTを撮影していない患者さんや、これまで胸部CTを撮影したことがない患者さんでは、症状や診察所見によってはCT検査を積極的に検討する場合があります。
これらの病気は微細な変化であることが多く、レントゲンでは評価しきれない可能性があるためです。

その場合には、当院と連携している画像診断を専門とする医療機関や総合病院などに紹介し、胸部CTなどによる評価を行います。

さらに、痰が多い、長期間痰が続いているなどの場合には、気道の病変を背景として、非結核性抗酸菌症などの感染症が合併している可能性も考える必要があります。
その場合には、痰の検査などを行います。

治療については、咳や息切れなどの呼吸器症状が、潰瘍性大腸炎・クローン病そのもの、あるいはその合併症によるものと考えられる場合には、消化器内科の先生と相談しながら、基礎疾患の治療内容を変更する必要がある場合があります。

一方で、潰瘍性大腸炎・クローン病の病状が良好であるにもかかわらず、咳や息切れなどの呼吸器症状が続いている場合には、気管支喘息の可能性も考えます。
喘息を疑う検査結果が得られた場合には、気管支喘息に対する治療を開始することもあります。

ただし、これらを一度の診察や検査だけで明確に区別できないことも少なくありません。

そのため、症状の経過、検査結果、潰瘍性大腸炎・クローン病の治療経過などを総合的に判断し、必要に応じて消化器内科と呼吸器内科が相談しながら治療を進めていくことが重要です。

院長からのメッセージ

潰瘍性大腸炎・クローン病では、腸管以外にも呼吸器に病変を合併することがあります。また、気管支喘息を合併することも報告されています。

しかし、こうした呼吸器合併症については、一般にはまだ十分に知られておらず、内科医の間でも必ずしも認知が進んでいるとはいえません。

また、潰瘍性大腸炎・クローン病の患者さんに生じた咳や息切れの原因を、一つの病気だけで説明することが難しいケースも少なくありません。

例えば、潰瘍性大腸炎・クローン病に伴う呼吸器病変のほか、気管支喘息、感染症、薬剤性肺障害など、複数の可能性を考えて評価する必要があります。

そのため、咳や息切れなどの呼吸器症状が続く場合には、呼吸器専門医による評価を受けることが望ましい場合があります。

当院院長は、細気管支炎などの呼吸器病変に関連する学会発表や論文作成に携わった経験があります。
また、消化器診療にも力を入れている昭和医科大学横浜市北部病院での勤務経験もあります。

これまでの経験を生かし、潰瘍性大腸炎・クローン病の患者さんに生じた咳、痰、息切れなどの呼吸器症状について、消化器疾患との関連も考慮しながら専門的に評価・診療できるよう努めています。

ぜひ、お困りの際には当院へご相談ください。

執筆・監修

【執筆・監修】
溝の口駅前内科・呼吸器内科 院長 高野賢治
(日本内科学会認定総合内科専門医/日本呼吸器学会認定呼吸器専門医/日本アレルギー学会認定アレルギー専門医)

【参考文献】

日本消化器病学会 編.炎症性腸疾患(IBD)診療ガイドライン2020.南江堂.2020.
Gordon H, et al. ECCO Guidelines on Extraintestinal Manifestations in Inflammatory Bowel Disease. J Crohns Colitis. 2024;18(1):1-37.
Yarur AJ, et al. Co-occurrence of Asthma and the Inflammatory Bowel Diseases: A Systematic Review and Meta-analysis. Inflamm Bowel Dis. 2018;24(10):2154-2163.

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