間質性肺炎
間質性肺炎
溝の口・高津区周辺で間質性肺炎が心配・お困りの患者さんへ
このようなお悩み・ご不安はありませんか?
肺炎といわれると、感染症による肺炎を思い浮かべる方がほとんどだと思います。
一方で、間質性肺炎といわれても、その病気自体を知らない、という方が少なくありません。
間質性肺炎は、種類や経過によっては少しずつ進行することがあり、早めに気づいて適切に対応していくことが大切な病気です。
間質性肺炎とは、肺が徐々に固くなることによって肺活量が低下し、それにより空咳(からせき)や息切れをきたす病気です。
ただし、徐々に悪化する病気であっても感染症などをきっかけとして、急性増悪という状態になると急速に悪化する可能性があり、緊急性のある状態になります。
「間質性」といわれても、よくわからないという方が多いと思います。
肺は空気を多く含む臓器です。
空気が出入りする部屋の部分に対して、その空気と、血液中の酸素や二酸化炭素を入れ替えている場所が「間質」にあたります。
感染による肺炎は、肺に炎症が起きて痰や分泌物が空気の部分を埋めるようにたまっていきますが、間質性肺炎は、この「間質」が病気の主役になる、という違いがあります。
それにより、肺が固くなって肺活量が落ちたり、酸素を取り込む力が低下したりします。
さらに重症化すると、二酸化炭素をうまく吐き出せなくなってしまうこともあります。
代表的な症状としては、以下のようなものが挙げられます。
痰が絡む方もいますが、一般的には痰があまり絡まない咳(空咳)を訴える方が多くみられます。
初期には、体を動かしたときの息切れとして現れます。
特に、階段や坂道、早歩きをしたときに息が切れる、立ち止まらないと苦しい、といった変化がある場合は注意が必要です。
進行すると、着替えるなどの軽い動作だけでも息切れがするようになることがあります。
病状が進行するにつれて、体力の低下がみられるようになります。
当院が特に避けたいと考えているのは、「息切れ→運動量の低下→体重減少→体力の低下→さらなる息切れ」という悪循環です。
この悪循環を断つためにも、栄養管理と運動療法(リハビリテーション)は治療において非常に重要な要素になります。
間質性肺炎には、原因がわかるものと、わからないものがあります。
原因がわかる場合はその原因に対する治療を行いますが、原因がわからない場合は「特発性(とくはつせい)間質性肺炎」として治療を進めていくことになります。
間質性肺炎を引き起こす原因としては、以下のようなものが知られています。
これらは検査だけで直ちに診断することが難しいことも多く、問診と身体診察を丁寧に行うことが診断の助けになります。
薬剤性
薬が体に合わないことで、肺に炎症を起こしてしまうことがあります。
医療機関で処方される薬剤に限らず、市販薬・漢方薬・サプリメントなどが原因になることもあります。
膠原病
膠原病は、自己免疫の異常により全身に症状が及ぶ病気ですが、肺に病変が現れると間質性肺炎として発症することがあります。
これまで膠原病の診断を受けていなかった方が、間質性肺炎をきっかけに診断に至るケースもあるため、注意が必要です。
過敏性肺炎
吸入した物質に対してアレルギー反応が肺に起こるものです。
夏はトリコスポロンというカビが原因となる夏型過敏性肺炎、冬は羽毛布団や加湿器が原因となる過敏性肺炎などが知られています。
粉塵・アスベスト
ガラスや金属などの加工業、工事現場の解体作業などに従事されていた方にみられることがあります。
暴露を受けてすぐに発症するのではなく、時間が経ってから発症することもあります。
検査を行っても原因が特定できない場合、特発性間質性肺炎と診断されます。
特発性の場合は、特発性肺線維症(IPF)と、それ以外のものに大別して検査・治療方針を検討していくことが多いです。
間質性肺炎が疑われる場合、当院では以下のような流れで診療を行っています。
当院では、問診・身体診察・血液検査・レントゲンによる初期評価を行い、間質性肺炎が疑われる場合には、詳しい検査が可能な医療機関へ適切につなぐことを目指します。
安定している間質性肺炎については、当院でも経過をみていくことができます。
聴診では、感染症による肺炎や喘息とは異なる、肺が固くなっている際に特徴的な音(捻髪音)が聞こえることがあります。
また、膠原病が背景にある場合は身体診察が非常に重要です。
間質性肺炎の患者さんでは、皮膚の症状や、関節・手指の症状がないかもあわせて確認します。
間質性肺炎の病状を把握するため、LDH・CRP・KL-6などを調べます。
また、原因を調べる目的で、抗核抗体などの項目を追加で提出することもあります。
レントゲンでは、間質性肺炎があると、もやもやとした白い影が映ります。
間質性肺炎が疑わしい場合には、当院と提携している徒歩すぐの画像診断専門のクリニックでCTを撮像します。
間質性肺炎の状態に加えて、どのような病気が原因かをCTの画像パターンから推測することもできます。
間質性肺炎のCT検査で重要なのは、高精細なCT(HRCT)で検査をしないと、診断の精度が落ちてしまうということです。一般的なクリニックのCTよりも、画像診断専門のクリニックや総合病院などでのCT撮影が望ましいです。
気管支内視鏡検査で、気管支や肺の一部を採取したり、肺の中を洗浄して細胞成分を確認したりすることがあります。
また、場合によっては、検査目的の入院や手術が必要になることもあります。
膠原病内科や、循環器内科などと協力が必要なときもあり、近隣の連携医療機関・基幹病院と連携しながら行います。
間質性肺炎の治療薬は、病状やタイプ、重症度などを踏まえて専門的な判断が必要となるため、治療の導入は基本的に連携する専門医療機関で検討・開始していただくことになります。
治療方針の決定や薬剤の選択は、精密検査を行う専門医療機関で総合的に判断されます。
当院では、診断前の初期評価や、治療開始後の日常的な体調管理・経過観察の面でサポートを行っていきます。ここでは、一般的にどのような治療が行われているかについて、概要をご紹介します。
大きく分けて、以下の2種類の薬剤が使われることが一般的です。
ステロイドを内服する治療です。
炎症を強く抑える薬である一方、副作用が出やすい点には注意が必要です。
「ステロイド」と聞くと抵抗感を持たれる患者さんも少なくありませんが、適応がある場合には、医師の指示のもとで継続することが大切とされています。
特に、自己判断で急に中止しないことが重要なポイントです。
近年、いくつかの薬剤が開発されています。
肺が固くなっていく進行を、ゆっくりにすることを目的とした薬です。
有用な選択肢のひとつとされていますが、適応となる病態が限られること、現時点では高額な薬剤であることなどが懸念点として挙げられます。
間質性肺炎は、診断後も長く付き合っていく病気です。
当院では、患者さんが不安に思っていること、わからないことに、できる限り耳を傾けることを大切にしています。
特に、診断されたばかりの頃は、間質性肺炎という病気自体をご存じない患者さんも少なくありません。
そのため、できるだけわかりやすい言葉で説明し、疑問点をそのつど確認していただきながら、診療を進めるように心がけています。
私自身、埼玉県立循環器・呼吸器病センターに勤務していた時期に、間質性肺炎の診療に力を入れる環境の中で、比較的まれなタイプの間質性肺炎も含め、数多くの患者さんの診療に携わってきました。
その経験を、このクリニックでの診療にも活かしていきたいと考えています。
執筆・監修
溝の口駅前内科・呼吸器内科 院長 高野賢治
(日本内科学会認定総合内科専門医・日本呼吸器学会認定呼吸器専門医・日本アレルギー学会認定アレルギー専門医)
参考文献
日本呼吸器学会 特発性間質性肺炎 診断と治療の手引き2022(改訂第4版)
日本呼吸器学会 特発性肺線維症の治療ガイドライン2023(改訂第2版)
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