授乳中の喘息で気をつけたほうが良いことは?|溝の口駅前内科・呼吸器内科|川崎市高津区の呼吸器内科・アレルギー科

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授乳中の喘息で気をつけたほうが良いことは?

授乳中の喘息で気をつけたほうが良いことは?|溝の口駅前内科・呼吸器内科|川崎市高津区の呼吸器内科・アレルギー科

2026年7月26日

授乳中の喘息で気をつけたほうが良いことは?

「授乳中に喘息が悪化していないか」ご心配の方へ

このような不安をお持ちではないでしょうか?
☑授乳中にかぜの薬を飲んでいるが安全に使えるか心配

☑喘息の治療中だが、授乳中でも薬を安全に使えるか不安

☑吸入ステロイド薬が赤ちゃんに影響しないか心配

☑内服薬はやめたほうがよいのか迷っている

授乳中はできる限り薬を避けたいと考えるのは、自然な気持ちです。
一方で、喘息の症状があるときに吸入薬や内服薬を安全に使えるかどうかは、お母さんとお子さんの健康を守るうえで重要なポイントです。

治療薬を必要以上に恐れて自己判断で中断してしまうと、かえって喘息のコントロールが悪化し、お母さんの生活の質(QOL)や育児への負担が大きくなることもあります。

この記事では、授乳中の喘息治療で注意すべき点と、薬剤ごとの安全性について呼吸器専門医の立場から解説します。

なぜ「授乳中に喘息の悪化」が起こるのか

出産を契機に喘息が悪化してしまう患者さんが一部いらっしゃいます。
それと同じように、授乳中に喘息が悪化してしまう患者さんもいます。

なぜ授乳中に喘息が悪化するのか、正確なメカニズムはわかっていません。
ただ、臨床の現場では次のような要因が関わっていると考えられています。

・産後のホルモンバランスの変化
妊娠中に高く保たれていたエストロゲンが出産を機に急激に低下し、この変動が気道の状態に影響している可能性があります

・睡眠不足・育児によるストレス
ストレスは妊娠・授乳に関わらず喘息の病状と密接に関連する要因です。
授乳期は夜間の睡眠が細切れになりやすく、睡眠不足や疲労も喘息悪化の引き金になることが知られています

・治療薬を自己判断で減らしてしまうこと
母乳への影響を心配して吸入薬や内服薬を自己判断で中止・減量してしまい、結果として喘息のコントロールが乱れてしまうケースも少なくありません。
また、忙しさのあまり治療を中断せざるを得ない方もいらっしゃいます。

特に3つ目は見過ごされがちですが、実際の診療では「咳が落ち着いていること」「育児で忙しいこと」から、本人の意図せずとも治療が中断されてしまっていることがあります

👉️妊娠中に咳がひどくなったら?喘息を疑うべきサイン

授乳中の喘息の治療は安全か?

「絶対に安全」と言い切れる薬剤には限りがありますが、多くの喘息治療薬は安全性の高さが示されており、授乳中も問題なく使用できます。
また、くすりの添付文書では注意の記載があっても、実臨床では安全性が高いと判断されて幅広く使用される薬剤もあります。
一方で、一部注意を要する薬剤もあります。

【基本的に安全に使用できる薬(第一選択)】

吸入ステロイド(ICS)・配合剤(ICS/LABA)
レルベア、フルティフォーム、シムビコートなど。
全身への移行が極めて少なく、授乳中も安全性が高いとされています。特に安全性が高いとされているのは、パルミコートです。

発作治療用吸入薬(SABA)
メプチン、サルタノールなど。添付文書上は授乳回避の記載もありますが、発作時には使用されることが多く、ガイドラインでも安全に使用できることが記載されています。

抗ロイコトリエン薬
添付文書には授乳回避の記載がされていますが、母乳への移行はごく微量であり、臨床的にも安全に使用されています。

第二世代抗ヒスタミン薬(内服)
アレグラ(フェキソフェナジン)、ザイザル(レボセチリジン)など。

【主治医との相談が必要な薬】

コデイン・ジヒドロコデインを含む咳止め
乳児の呼吸への影響の報告があります。市販のかぜ薬・咳止めにも含まれていることがあるので、授乳中は市販薬を自己判断で内服するよりも医師への相談が望ましいです。

テオフィリン製剤
母乳中へ移行が指摘されているため、当院では授乳中の新規開始は原則避け、また代替薬があればそちらへの切り替えを検討しています。

経口ステロイド
母乳移行が僅かであり、比較的問題なく使用出来るとされています。
ただし、薬剤の量も関係してくるため、高用量・長期間の投与のときには相談が必要でしょう。

第一世代抗ヒスタミン薬
強い眠気や乳汁分泌への影響があるため、第二世代への変更を当院では検討します。

生物学的製剤
病状に応じて慎重に判断します。

院長からのメッセージ

授乳中の喘息の薬剤選択については注意が必要ですが、必要以上に怖がる必要はありません。

喘息の治療のために最も重要な吸入薬は比較的安全に使用することができます。
もしコントロールしきれなかったとしても、多くの内服の薬剤も選択を注意しながら使用することができます。
むしろ、喘息が発作になったり、状態が悪くなることで、子育てに影響が出たり、発作で入院になることが一番避けるべきことです。

溝の口・高津区エリアは子育て中の方々もたくさんいらっしゃいます。心配なことは遠慮なくおっしゃっていただけたらと思います。

よくある質問

Q.授乳中でも喘息の薬は続けて大丈夫ですか?

A.はい。自己中断をしないことが最も重要です。
一部の薬剤を除いて、授乳中も安全に使用できたり、メリットがデメリットを上回るようなら投与が可能な薬剤が多いです。主治医と相談して薬剤選択をしましょう。

Q.吸入ステロイド薬は母乳を通じて赤ちゃんに影響しませんか?

A.はい、基本的には安全に使えるとなっています。
むしろ、吸入をやめて喘息の病状が悪化するほうがデメリットが大きいと考えられています。

Q.喘息の薬を使った直後に授乳しても問題ありませんか?

A.はい、特に問題ありません。
比較的安全とされている薬剤については問題がないと考えます。注意点がある薬剤については、内服のタイミング含めて主治医と相談が必要です。

執筆・監修

溝の口駅前内科・呼吸器内科 院長 高野賢治
(日本内科学会認定総合内科専門医・日本呼吸器学会認定呼吸器専門医・日本アレルギー学会認定アレルギー専門医)

参考文献
・日本アレルギー学会 喘息予防・管理ガイドライン2024
・国立成育医療研究センター 妊娠と薬情報センター https://www.ncchd.go.jp/kusuri/

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