2026年6月04日
「冷たい空気を吸うと咳が出る」「冬に外に出ると咳が出る」という症状でお困りではないでしょうか?
☑冬に外に出ると咳が出る
☑エアコンの風を浴びると咳が出る
☑急に暖かい場所から寒い場所に移動すると咳が出る
☑寒暖差があると、鼻水と一緒に咳がでる
☑夜間や明け方に咳が出やすい
このような症状が続いている場合、いくつかの原因が考えられます。
特に、寒暖差で咳が出ることは気管支喘息の特徴でもあるので、「喘息ではないか心配」「喘息の気があるといわれたことがある」「喘息と言われたことがあるけど治療を中断してしまっている」という方には是非読んでいただけたらと思います。
この記事では、考えられる原因と、受診の目安についてご説明します。
なぜ冷たい空気で咳が出るのか?
気道(空気の通り道)は、特に異常のない健常な方でも冷たい空気や乾燥した空気などの刺激に対して多少の刺激を感じることはあります。
しかし、以下のような病気があると、気道過敏性が高まっていることによって、症状が強く出やすくなります。
考えられる主な原因
寒暖差による咳は大きく3つ原因が考えられます。
気管支喘息・咳喘息
気管支喘息は、気道に慢性的な炎症が起きている状態です。炎症によって気道が敏感になっている(気道過敏性)ため、冷たい空気・温度の変化・運動などをきっかけに咳や息苦しさが誘発されることがあります。
「ゼーゼー・ヒューヒュー」という喘鳴が目立たず、咳だけが続く場合は咳喘息と呼ばれます。咳喘息は放置すると気管支喘息に移行することがあり、早期診断・早期治療が大切です。
【👉️気管支喘息についてはこちら】
【👉️咳喘息についてはこちら】
血管運動性鼻炎
いわゆる「寒暖差アレルギー」と呼ばれているものであり、正しくは血管運動性鼻炎と呼ばれます。急激な気温差が刺激となり、鼻の粘膜の血管が過剰に反応することで、鼻水・くしゃみが起こります。
その鼻水が、鼻の後ろを通ってのどに流れ込むこと(後鼻漏)で、咳やのどの違和感につながります。
医学的に特定のアレルゲンに対するアレルギー反応とは言いにくいため、「アレルギー検査では異常なし」と言われたことがある方でも、寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)が咳の原因となっている可能性があります。
アレルギー性鼻炎
花粉やハウスダストなどのアレルゲンによる鼻の炎症で鼻水が生じた際に、後鼻漏により慢性的な咳の原因となることがあります。
また、鼻の炎症が神経を介して気道を敏感にさせ、咳が出やすくなることもわかっています。
秋冬はダニの死骸・フンが乾燥した空気中に浮遊しやすく、症状が悪化しやすい季節です。「鼻炎があるのに咳も続く」という方は、鼻炎の治療が後鼻漏を改善させ、咳の改善につながることがあります。
【👉️アレルギー性鼻炎・花粉症についてはこちら】
院長からのメッセージ
寒暖差による咳の原因は、喘息・血管運動性鼻炎・アレルギー性鼻炎など複数が考えられ、症状が似ているため自己判断は難しいです。
また、これらが重なって起きていることも少なくありません。
喘息を疑ったときに問診で、寒暖差による咳をよくお聞きすると心当たりがある患者さんが多くいらっしゃいます。
「寒暖差で咳が出やすい気がするけど、気のせい」と思って放置していると、咳喘息が気管支喘息に移行してしまったり、慢性化して治療に時間がかかってしまうことがあります。
冷たい空気を吸うと咳がでるような場合は、早めに呼吸器内科を受診されることをお勧めします。
当院は、溝の口・川崎市高津区で長引く咳・息苦しさ・喘息・アレルギーなど呼吸器のお悩みを専門的に診察しています。
症状が軽くても構いません。
「咳が続いている」「喘息かもしれない」とお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
よくある質問
Q.冷たい空気を吸うと咳が出るのはなぜですか?
A.気道が敏感になっている状態(気道過敏性)が主な原因です。
気管支喘息・咳喘息が疑われますが、血管運動性鼻炎(寒暖差アレルギー)・アレルギー性鼻炎なども考えられます。
原因によってそれぞれ治療法が異なるため、長引く場合は呼吸器内科への受診をお勧めします。
Q.寒暖差による咳は何科を受診すればよいですか?
A.呼吸器内科の受診をお勧めします。
咳の原因が喘息なのか、鼻炎からくるものなのかを専門的に診断し、適切な治療につなげることができます。
呼吸器内科・アレルギー科への受診であれば、両方の視点から診察ができます。
Q.血管運動性鼻炎(寒暖差アレルギー)の咳はどのくらいで治りますか?
A.原因や重症度によって異なります。
血管運動性鼻炎による咳は、寒暖差をなるべく避けるなどの生活改善と適切な治療で改善することがあります。
一方、咳喘息は放置すると慢性化・悪化することがあるため、早めの治療開始が改善への近道です。
Q.寒暖差による咳と、風邪の咳の違いは何ですか?
A.咳の様子だけで区別することは難しく、他の症状の有無と咳がでる状況が重要です。
風邪の咳は発熱・鼻水・のどの痛みなど他の全身症状を伴うことが多く、1〜2週間程度で改善することが多いです。
一方、寒暖差による咳は風邪症状がなく、冷たい空気やエアコンなど特定の状況で繰り返し起こるのが特徴です。
「風邪でもないのに咳が続く」という場合は、喘息や寒暖差アレルギーを疑う必要があります。
Q.エアコンをつけると咳が出ます。寒暖差アレルギーですか?
A.エアコンによる急激な温度変化が引き金となり、血管運動性鼻炎(寒暖差アレルギー)や咳喘息・気管支喘息の症状が出ることがあります。
またエアコン内部のカビ・ホコリによるアレルギー性鼻炎が原因で後鼻漏が悪化すると咳の原因になることがあります。
また、多くはありませんが夏にエアコンを付けると咳が出る場合は、エアコン内のカビが原因となる夏型過敏性肺炎も考える必要があります。
どれが原因かを見極めることが大切です。
【執筆・監修】
溝の口駅前内科・呼吸器内科 院長 高野賢治
(日本内科学会認定総合内科専門医・日本呼吸器学会認定呼吸器専門医・日本アレルギー学会認定アレルギー専門医)
【参考文献】
日本呼吸器学会 咳嗽・喀痰の診療ガイドライン第2版2025.
日本アレルギー学会 喘息予防・管理ガイドライン2024.
