「謎風邪」って本当に謎なの?日本呼吸器学会認定呼吸器専門医が解説します|溝の口駅前内科・呼吸器内科|川崎市高津区の呼吸器内科・アレルギー科

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「謎風邪」って本当に謎なの?日本呼吸器学会認定呼吸器専門医が解説します

「謎風邪」って本当に謎なの?日本呼吸器学会認定呼吸器専門医が解説します|溝の口駅前内科・呼吸器内科|川崎市高津区の呼吸器内科・アレルギー科

2026年5月24日

2026年5月、SNSを中心に「謎の風邪」が話題になっています。

「コロナもインフルエンザも陰性なのに、喉が激痛」「熱はないのに咳と倦怠感が2週間以上続く」——そんな投稿が全国に広がり、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

今回は、呼吸器内科医の立場から「謎風邪」について、ウイルス肺炎を研究していた経験を元に解説していきます。

実は「謎風邪」は昔からあった

「コロナ陰性・インフル陰性なのに風邪症状がある」

コロナ・インフル陰性の風邪は、今までも実は日常的にあったことです

成人の風邪の原因ウイルスは200種類以上あるといわれていますが、コロナとインフルエンザ以外のウイルスを一般のクリニックで同定することは難しいのが現状です。
複数のウイルスを一度に調べる検査のような高度な検査もありますが、現状では一部の医療機関などに限られています。
ウイルスを調べてもウイルスをやっつける薬がないのであれば、他のウイルスと同じように風邪として治療していくしかないのが現状です。

つまり、今まで「コロナ・インフル陰性の風邪」と言われてきた患者さんは、ある意味ずっと「謎風邪」だったとも言えます。今回は、それがSNSで騒がれていると言えます。

今回の「謎風邪」の有力候補は?

現在、複数の専門家が原因候補として挙げているのが、ヒトメタニューモウイルス(hMPV)です。
2001年に発見されたウイルスで、毎年冬から春にかけて流行することが多いとされています。
実際に、当院の位置する溝の口がある川崎市の感染症サーベイランスでも、2月中旬以降、検出数の増加が報告されています。(https://www.city.kawasaki.jp/templates/prs/350/0000187136.html)

主な症状は次の通りです。
・喉の痛み・違和感
・咳、痰、鼻水
・軽い倦怠感
・発熱は軽度か、ないことも多い

また、hMPVのほかにも溶連菌、インフルエンザB型の遷延、コロナ新変異株なども原因として考えられており、「ひとつの原因」ではなく複数の感染症が同時に流行しているという方が考えやすいかもしれません。

「謎風邪だから大丈夫」ではない理由——私の研究から

私は以前、埼玉県立循環器・呼吸器病センターに勤務していた際、ウイルスによる肺炎を研究していました。

その研究の中で、今回の謎風邪の原因として注目されているhMPVが肺炎の原因ウイルスになりうること、ときに重症な肺炎をきたすことを報告しています(https://doi.org/10.11389/jjrs.12010002)。

また肺炎の一歩手前である細気管支炎(気管支の細い部分の炎症)を起こすことがあるという報告も行っています( https://doi.org/10.11389/jjrs.08060401)。

「コロナじゃないから」「インフルじゃないから大丈夫」——そう思いたい気持ちはよくわかります。
しかし、「謎風邪」であっても、こじらせれば肺炎や細気管支炎に進展することがありますから、症状が気になるときは一度受診することが望ましいでしょう。

こんな症状があれば受診を

次のような症状が出てきたら、早めに医療機関を受診することをお勧めします。
・発熱が4〜5日以上続く
・咳がひどくなってきた、または2週間以上続いている
・息苦しさや胸の痛みがある
・喉の痛みが非常に強い(扁桃腺が腫れている感じがある)
・ぐったりして食事や水分が取れない
特に、高齢の方・基礎疾患のある方・喘息をお持ちの方は、重症化リスクといえますので症状が軽くても早めのご相談をおすすめします。

溝の口駅前内科・呼吸器内科は2026年7月開業予定です。
溝の口・高津区周辺で呼吸器症状でお困りの際は、是非お気軽にご相談ください。

執筆 高野賢治
(日本呼吸器学会認定呼吸器専門医・日本アレルギー学会認定アレルギー専門医・日本内科学会認定総合内科専門医)

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